油彩テンペラ(古典絵画技法)の制作過程


 

テンペラとは、固着材として主に卵を用いた絵具、またはこれによる絵画技法です。(Temperare=混ぜ合わせるというラテン語が語源)

ルネッサンス(1400年代)から、ヨーロッパではマネ(1800年代)ぐらいまで。一般的にイメージされる”油絵”が登場する前の【古典絵画技法】です。

テンペラのみの絵画〜日本で"油絵"のイメージが強い印象派まで移行期に、テンペラと油彩の両方を使う混合技法が用いられました。

卵を用いることで、耐久性や腐食を心配される方がいますが、今でも、ウイッツィ美術館(フィレンツェ)などで

1400年代の鮮やかな色合いのまま、作品を見ることができます。

特徴としては、グレーズを重ねることで生まれる深い色合い、黄変や色あせのない堅牢な画面、独特の味わいのある繊細な描写が挙げられます。

フィレンツェの学校で学んだフレスコ(fresco、漆喰を用いた古典絵画技法)でも、制作を行っております。


1、まずメディウムの準備から。全卵と、乾性油で、メディウムを作ります。卵が展色材の役目を果たし、顔料を画面に固着させます。
1、まずメディウムの準備から。全卵と、乾性油で、メディウムを作ります。卵が展色材の役目を果たし、顔料を画面に固着させます。
4、インプリミトュラ。3の板に、油絵の具で一層目の地塗りを施します。
4、インプリミトュラ。3の板に、油絵の具で一層目の地塗りを施します。
2、テンペラ絵の具の準備。1のメディウムにチタニウムホワイト(顔料)を混ぜると、テンペラ絵の具の白ができます。
2、テンペラ絵の具の準備。1のメディウムにチタニウムホワイト(顔料)を混ぜると、テンペラ絵の具の白ができます。
5、転写、描画開始。描くモチーフを板に転写、いよいよ書き始めです。
5、転写、描画開始。描くモチーフを板に転写、いよいよ書き始めです。
3、絵を描く、基底材は板を用います。(キャンバスも可)板に、ボローニャ石膏とウサギ膠を混ぜたものを何層か塗ります。
3、絵を描く、基底材は板を用います。(キャンバスも可)板に、ボローニャ石膏とウサギ膠を混ぜたものを何層か塗ります。
6、加筆、テンペラ1回目。油絵の具で彩色し、2のテンペラ絵の具で書き起こします。
6、加筆、テンペラ1回目。油絵の具で彩色し、2のテンペラ絵の具で書き起こします。

7、さらに描き進め。グレーズで全体をまとめたり、テンペラでさらに描き起こしたり、繰り返し明暗を追っていきます。
7、さらに描き進め。グレーズで全体をまとめたり、テンペラでさらに描き起こしたり、繰り返し明暗を追っていきます。

8、7の工程を繰り返しながら、最終的な色をのせていきます。何日もかけて、少しづつ仕上げます。

根気がいる作業ですが、達成感もあります。

9、影の部分は透明感を残しつつ、油絵の具を主に、最終的な色で決めていきます。細部の描画を終えたら、また全体を合わせ、ようやく完成です!